MODO701がリリースされ、これを機会にMODOユーザーも増えているようです。
現在MODO701バージョンアップ付きmodo601を購入されて、modo601を勉強されている方も多いのではないでしょうか。
なおMODO701バージョンアップ付きmodo601の販売は4月9日までらしいので、購入を検討されている方はお早めに!
そこで、最近はあまりmodoの機能について解説していなかったので、アクションセンターについて書いてみたいと思います。
アクションセンターは言わずと知れたmodoのmodoらしい機能ですが、これがもうひとつよく理解できないと言う人も多いようです。
理解できていないというか、どう使えばいいのかがピンと来ないんじゃないかな。
僕もビデオでは積極的にアクションセンターの使い方は取り入れていますが、補足の意味も込めて、日比流にカジュアルに説明します。
アクションセンターとは軸ハンドルをコントロールするツールで、軸ハンドルの位置と方向を決めることができます。
どの位置にも正確にハンドルをセットできて、どの方向へも正確に移動出来れば、かなり便利と思いませんか?それを実現するのがアクションセンターというわけです。
アクションセンターのボタンをクリックするとこのようなメニューが出てきます。
どれにもチェックが入っていない状態はアクションセンターが選択されていない状態です。
沢山の種類がありますが、順番通り説明しません。(日比流)
次に「センター」にカーソルを合わせるとさらに項目が出てきます。
「センター」は軸ハンドルの位置です。
軸ハンドルをどの位置にセットするかを決める設定です。
次に「軸」にカーソルを合わせると同じように項目が出てきます。
「軸」は軸ハンドルの方向です。
どの方向へ移動するかを決める設定です。
この2つの項目(位置と方向)を組み合わせれば、どの位置にも正確にハンドルをセットできて、どの方向へも正確に移動出来るという仕組みがアクションセンターの基本です。
回転ハンドル、スケールハンドルにも同じことが言えます。
「センター」の上にも同じような項目が並んでいますが、これは「センター」と「軸」
設定を組み合わせたプリセットと考えていいでしょう。よく使う組み合わせを登録してあるということです。「センター」と「軸」を個別に設定するのはめんどくさいですもんね。ただし、個別にと言うか「センター」だけを設定したりすると便利な場合もありますので、後で説明します。
では、個別に説明していきますが、「自動」は後回しで、「選択」から。
「選択」はどんなソフトにもあります。CINEMA4Dでは、オブジェクト座標系がそれです。選択したエレメントの平均位置に軸ハンドルがセットされ、法線の平均方向に方向がセットされます。基本中の基本です。
ちなみにどのソフトにもオブジェクト座標系に対してワールド座標系がありますよね。
これは、基本的にはアクションセンターをセットしていない状態(なし)と考えていいと思います。ただし、「アクションセンターなし」はビュー内をクリックして操作しやすい位置に軸のハンドルを移動することもできます。
「選択境界」は、「センター」が選択境界で「軸」が選択のプリセットです。
軸ハンドルの方向は法線の平均方向(オブジェクト座標系)ですが、軸ハンドルの位置は選択部分の境界線の中心になります。
ちょっと、ピンとこないと思いますので簡単な例で説明します。
アクションセンターを選択境界にセットした状態なので、選択したポリゴンの境界線の中心に軸ハンドルの位置がセットされています。また、方向はパイプの方向に合っているのがわかると思います。選択境界で作業する場合は、軸ハンドルをトランスフォーム(移動、回転、スケールが使える軸ハンドル)を使うのが便利です。
では、少し回転で曲げます。
次にshift+上矢印キーを2回押して、選択範囲を増大します。
トランスフォームが増大した選択範囲の境界に移動したのがわかりますね。
では、今度は逆に少し回転で曲げます。
この操作を繰り返すといろんな形に曲げたり膨らましたりできます。
操作になれると非常に簡単です。少し戻って曲げ直したり自由自在です。
例えば、腕や指などを曲げるのにも使えますが、それにはフレックスツールの方がきれいに曲がるので主に固いものを加工するのに使います。
(フレックスツールは、「選択境界」と「選択フォールオフ」の組み合わせたツールです。)
次に「選択中心と自動軸」ですが、本当はこれがワールド座標軸と全く同じです。
でも、「アクションセンターなし」も「自動」も軸ハンドルを選択した時の状態は同じですので、「選択中心と自動軸」はなかったことにしましょう(笑。
(使い道はあるのですが、他の方法もありますしね。)
次に「エレメント」を説明します。
これは、「センター」も「軸」もエレメントのプリセットです。
軸ハンドルはクリックしたエレメント(頂点、エッジ、ポリゴン)にセットされて、その法線に沿った方向に軸ハンドルが向きます。
(クリックしたエレメントは選択しているエレメントとは関係ないので、選択していない部分のエレメントにもセットできますよ。)
じゃ、これも簡単な例で説明します。
例えば、こういう屋根の軒を延ばしたい場合は、アクションセンターの「選択」を使います。選択した屋根の厚み部分が屋根の勾配と同じ方向なので、「選択」でOKです。
しかし屋根の厚みが垂直な場合もあります。このような場合はアクションセンターの「エレメント」が便利です。選択するのは屋根の厚み部分ですが、アクションセンターは屋根の勾配のエッジにセットします。
ただし、modoには「作業平面」というこれまたmodoの代表的な機能もありますので、それはまたの機会に。
アクションセンターの「エレメント」のデフォルトでは、エレメントのクリックした位置に軸ハンドルがセットされます。この場合では、エッジ上のクリックした位置にセットされるわけですが、軸ハンドルがセットされる位置を制限することもできます。
もう一度、アクションセンターのメニューを見ていただくと一番下にエレメントモードというのがあります。
エレメントモードにカーソルを合わせると項目が出て来ますが、「自動」にチェックが入っています。「自動」というのは、頂点、エッジ、ポリゴン全ての種類のエレメントが対象で、そのエレメント上のクリックした位置に軸ハンドルがセットできます。
「自動中心」は頂点、エッジ、ポリゴン全ての種類のエレメントが対象で、クリックしたエレメントの中心に軸ハンドルがセットされます。この項目はスナップの項目と同じなので、理解しやすいはずです。要するにアクションセンターの「エレメント」は軸ハンドルをエレメントにスナップさせるわけですから。
では、アクションセンターの「エレメント」を使った例をもうひとつ。
アームのようなものをジョイント部分の中心軸で回転させたいことはよくあります。このような場合は、「エレメント」+エレメントモードの「自動中心」や「ポリゴン中心」と組み合わせるといいでしょう。
それから、最後にもうひとつ。
複数のエレメントを選択して任意のエレメントにハンドルをセットしたスナップ操作には通常ドラッグスナップリジッドを使いますが、アクションセンターの「センター」だけをエレメントにセットした状態はドラッグスナップリジッドと同じ使い方ができます。ただし、連続エレメントのリジッド連続のモードは使えませんけど。
では、どういうメリットがあるかと言えば、
ペンタブで操作していると、ドラッグスナップリジッドでエレメントにハンドルをセットする際に微妙に動いてしまう場合があります。ドラッグスナップリジッドだけじゃないのですが、その他の操作でも同じことが言えます。ポリゴン押し出しなんかもそうで、ツールをセットするときに何ミリか動いてしまったり。要するにツールなどのセットするためのクリックのときにペン先が微妙にすべるんでしょうね。これは精密なモデリングの時はかなり致命的です。なので、基本的にはやはりペンタブはモデリングには不向きです。
でも、それを克服する操作テクニックがいくつかあります。
大半のツールやハンドルをセットするクリックを右クリックでおこないます。(普通はペンの上ボタン下ボタンに右クリックを設定していると思います。)右クリックだとセットされたあと動きません。ペンタブを使っている方は試しに右クリックでセットしてそのまま大きくペンを動かしてもセットされた状態からびくともしないのがわかるはずです。
大半のツールは右クリックでセットできるのですが、ドラッグスナップリジッドは出来ないのです。回転スナップも絶対スケールも右クリックでセットできるのですが、なぜドラッグスナップリジッドだけが右クリックでセットできないのかよくわからない。
なので、ペンタブを使ってドラッグスナップリジッドをよく使う人は、かわりにアクションセンターの「センター」だけをエレメントにセットした状態は右クリックでハンドルをセットできるので、便利です。フォーム編集を使ってボタンにしておくのもいいでしょう。
かなり話が長くなりましたので、今日はここまで。
modoは、他のソフトとは比べ物にならないぐらいに応用が効くので、使い方を文章で伝えようとすると一苦労なのです。
予告編
『アクションセンター「自動」だけで、すべてのアクションセンターと同じことはできるのだ。』…邪魔臭いけど。
では、また次回、
現在MODO701バージョンアップ付きmodo601を購入されて、modo601を勉強されている方も多いのではないでしょうか。
なおMODO701バージョンアップ付きmodo601の販売は4月9日までらしいので、購入を検討されている方はお早めに!
そこで、最近はあまりmodoの機能について解説していなかったので、アクションセンターについて書いてみたいと思います。
アクションセンターは言わずと知れたmodoのmodoらしい機能ですが、これがもうひとつよく理解できないと言う人も多いようです。
理解できていないというか、どう使えばいいのかがピンと来ないんじゃないかな。
僕もビデオでは積極的にアクションセンターの使い方は取り入れていますが、補足の意味も込めて、日比流にカジュアルに説明します。
アクションセンターとは軸ハンドルをコントロールするツールで、軸ハンドルの位置と方向を決めることができます。
どの位置にも正確にハンドルをセットできて、どの方向へも正確に移動出来れば、かなり便利と思いませんか?それを実現するのがアクションセンターというわけです。
アクションセンターのボタンをクリックするとこのようなメニューが出てきます。
どれにもチェックが入っていない状態はアクションセンターが選択されていない状態です。
次に「センター」にカーソルを合わせるとさらに項目が出てきます。
軸ハンドルをどの位置にセットするかを決める設定です。
次に「軸」にカーソルを合わせると同じように項目が出てきます。
「軸」は軸ハンドルの方向です。
どの方向へ移動するかを決める設定です。
この2つの項目(位置と方向)を組み合わせれば、どの位置にも正確にハンドルをセットできて、どの方向へも正確に移動出来るという仕組みがアクションセンターの基本です。
回転ハンドル、スケールハンドルにも同じことが言えます。
「センター」の上にも同じような項目が並んでいますが、これは「センター」と「軸」
設定を組み合わせたプリセットと考えていいでしょう。よく使う組み合わせを登録してあるということです。「センター」と「軸」を個別に設定するのはめんどくさいですもんね。ただし、個別にと言うか「センター」だけを設定したりすると便利な場合もありますので、後で説明します。
では、個別に説明していきますが、「自動」は後回しで、「選択」から。
「選択」はどんなソフトにもあります。CINEMA4Dでは、オブジェクト座標系がそれです。選択したエレメントの平均位置に軸ハンドルがセットされ、法線の平均方向に方向がセットされます。基本中の基本です。
ちなみにどのソフトにもオブジェクト座標系に対してワールド座標系がありますよね。
これは、基本的にはアクションセンターをセットしていない状態(なし)と考えていいと思います。ただし、「アクションセンターなし」はビュー内をクリックして操作しやすい位置に軸のハンドルを移動することもできます。
「選択境界」は、「センター」が選択境界で「軸」が選択のプリセットです。
軸ハンドルの方向は法線の平均方向(オブジェクト座標系)ですが、軸ハンドルの位置は選択部分の境界線の中心になります。
ちょっと、ピンとこないと思いますので簡単な例で説明します。
アクションセンターを選択境界にセットした状態なので、選択したポリゴンの境界線の中心に軸ハンドルの位置がセットされています。また、方向はパイプの方向に合っているのがわかると思います。選択境界で作業する場合は、軸ハンドルをトランスフォーム(移動、回転、スケールが使える軸ハンドル)を使うのが便利です。
では、少し回転で曲げます。
次にshift+上矢印キーを2回押して、選択範囲を増大します。
トランスフォームが増大した選択範囲の境界に移動したのがわかりますね。
では、今度は逆に少し回転で曲げます。
この操作を繰り返すといろんな形に曲げたり膨らましたりできます。
操作になれると非常に簡単です。少し戻って曲げ直したり自由自在です。
例えば、腕や指などを曲げるのにも使えますが、それにはフレックスツールの方がきれいに曲がるので主に固いものを加工するのに使います。
(フレックスツールは、「選択境界」と「選択フォールオフ」の組み合わせたツールです。)
次に「選択中心と自動軸」ですが、本当はこれがワールド座標軸と全く同じです。
でも、「アクションセンターなし」も「自動」も軸ハンドルを選択した時の状態は同じですので、「選択中心と自動軸」はなかったことにしましょう(笑。
(使い道はあるのですが、他の方法もありますしね。)
次に「エレメント」を説明します。
これは、「センター」も「軸」もエレメントのプリセットです。
軸ハンドルはクリックしたエレメント(頂点、エッジ、ポリゴン)にセットされて、その法線に沿った方向に軸ハンドルが向きます。
(クリックしたエレメントは選択しているエレメントとは関係ないので、選択していない部分のエレメントにもセットできますよ。)
じゃ、これも簡単な例で説明します。
例えば、こういう屋根の軒を延ばしたい場合は、アクションセンターの「選択」を使います。選択した屋根の厚み部分が屋根の勾配と同じ方向なので、「選択」でOKです。
しかし屋根の厚みが垂直な場合もあります。このような場合はアクションセンターの「エレメント」が便利です。選択するのは屋根の厚み部分ですが、アクションセンターは屋根の勾配のエッジにセットします。
ただし、modoには「作業平面」というこれまたmodoの代表的な機能もありますので、それはまたの機会に。
アクションセンターの「エレメント」のデフォルトでは、エレメントのクリックした位置に軸ハンドルがセットされます。この場合では、エッジ上のクリックした位置にセットされるわけですが、軸ハンドルがセットされる位置を制限することもできます。
もう一度、アクションセンターのメニューを見ていただくと一番下にエレメントモードというのがあります。
エレメントモードにカーソルを合わせると項目が出て来ますが、「自動」にチェックが入っています。「自動」というのは、頂点、エッジ、ポリゴン全ての種類のエレメントが対象で、そのエレメント上のクリックした位置に軸ハンドルがセットできます。
「自動中心」は頂点、エッジ、ポリゴン全ての種類のエレメントが対象で、クリックしたエレメントの中心に軸ハンドルがセットされます。この項目はスナップの項目と同じなので、理解しやすいはずです。要するにアクションセンターの「エレメント」は軸ハンドルをエレメントにスナップさせるわけですから。
では、アクションセンターの「エレメント」を使った例をもうひとつ。
アームのようなものをジョイント部分の中心軸で回転させたいことはよくあります。このような場合は、「エレメント」+エレメントモードの「自動中心」や「ポリゴン中心」と組み合わせるといいでしょう。
それから、最後にもうひとつ。
複数のエレメントを選択して任意のエレメントにハンドルをセットしたスナップ操作には通常ドラッグスナップリジッドを使いますが、アクションセンターの「センター」だけをエレメントにセットした状態はドラッグスナップリジッドと同じ使い方ができます。ただし、連続エレメントのリジッド連続のモードは使えませんけど。
では、どういうメリットがあるかと言えば、
ペンタブで操作していると、ドラッグスナップリジッドでエレメントにハンドルをセットする際に微妙に動いてしまう場合があります。ドラッグスナップリジッドだけじゃないのですが、その他の操作でも同じことが言えます。ポリゴン押し出しなんかもそうで、ツールをセットするときに何ミリか動いてしまったり。要するにツールなどのセットするためのクリックのときにペン先が微妙にすべるんでしょうね。これは精密なモデリングの時はかなり致命的です。なので、基本的にはやはりペンタブはモデリングには不向きです。
でも、それを克服する操作テクニックがいくつかあります。
大半のツールやハンドルをセットするクリックを右クリックでおこないます。(普通はペンの
大半のツールは右クリックでセットできるのですが、ドラッグスナップリジッドは出来ないのです。回転スナップも絶対スケールも右クリックでセットできるのですが、なぜドラッグスナップリジッドだけが右クリックでセットできないのかよくわからない。
なので、ペンタブを使ってドラッグスナップリジッドをよく使う人は、かわりにアクションセンターの「センター」だけをエレメントにセットした状態は右クリックでハンドルをセットできるので、便利です。フォーム編集を使ってボタンにしておくのもいいでしょう。
かなり話が長くなりましたので、今日はここまで。
modoは、他のソフトとは比べ物にならないぐらいに応用が効くので、使い方を文章で伝えようとすると一苦労なのです。
予告編
『アクションセンター「自動」だけで、すべてのアクションセンターと同じことはできるのだ。』…邪魔臭いけど。
では、また次回、
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