先日、Twitterで下記のような質問を頂きました。 『DVDの中で「関節レイに可視」にチェックを外す意味と「エリアライト」のシンプルシェーディングのチェックをはずす意味を教えていただきたいです。』 それについて、Twitterでは文字制限があるし、同じような疑問をお持ちの方もいるかもしれませんので、ブログの方に書きます。 まず、「間接レイに可視」のチェックを外すというのは環境の設定のことなんですが、 通常は大域照明(グローバルイルミネーション)を使う場合、環境からも光が発せられます。 「間接レイに可視」のチェックを外すというのは、この環境から光を出ないようにすることになります。 具体的には、レンダリングで環境は見えていて反射や屈折にも影響するわけですが、光は出ていないというのが、「間接レイに可視」のチェックだけを外した状態です。 特にイラディアンスキャッシュを使用している場合、環境のライトというのは、間接光と同じぼんやりとした柔らかい光なので、細かいディテールを出すには適しません。 今回は、細かいモールドを出来るだけしっかりとノイズのない状態でレンダリングするためにエリアライトでライティングをしているので、環境のライトは使用しませんでした。 例えば、キッチンや家具の取手、それからドアのハンドルなどの小さな突起の回りがぼんやり黒ずんだ影になったりしたことはないですか? そのような経験があれば、そのシーンは環境ライト(IBLも含む)をベースライトにしている場合が多いはずです。 間接光(この場合環境ライト)は全体的にぼんやりと明るくするのには適していますが、細かい部分を正確に描写することはできません。 それから、オブジェクトの色や素材を正確に表現するのにもあまり適していません。 この辺りは、実際の撮影でも同じことが言えます。 オブジェクトの色や素材を正確に表現するライトの種類や方法っていうのは、またの機会に…。 特にライティングやレンダリングっていうのは、実際の撮影でも同じですが、理屈じゃないんですよ。 実際にいろいろ経験して体で覚えていくような感じでなければ上達しません。 偏った理屈や、応用の利かない理論の理解度では、だめなわけですよ。 時には、その理論を逆手にとって工夫するのも必要な時がありますよ。 少し話が長く...