スキップしてメイン コンテンツに移動

ライティングとガンマの関係

以前、ドクター柳村さんの「テクスチャのリニア化スクリプト」の紹介で以下のような内容を書きました。
「私は、出力ガンマもテクスチャのガンマもデフォルトは1.0であるべきだと思います。
理由はいくつかあります。
勉強会では少し解説をしていますが、出力ガンマを2.2にするリニアワークフローは、ベターではありますが、ベストではないのです。
話が長くなってしまうので、詳しい解説はまたの機会に…。」
そのまたの機会が今度の勉強会の内容です。

modo501はデフォルトガンマが、2.2に変更されています。
最近のリニアワークフローの影響でしょうね。
すでにリニアワークフロー(ガンマ2.2)で作業されている方も多いと思いますが、よく考えてみたらレンダリング画像がねむいとかコントラストが低いと思うことはないですか?
だからフォトショップのトーンカーブで補正してるって?
そうでしょう。ガンマ2.2は補正なしでは、コントラストが低いですもんね。
ガンマはほとんどの場合、できるだけ低いに越したことはないんですよ。
例えば、ギャラリーにあるこの画像。

告白しますが、出力ガンマは1.0なんです(笑。
OpenEXRなんかの1.0じゃないですよ。(あんなのたいして物にならないし。)
普通に出力ガンマは1.0です。
ガンマ2.2じゃ、室内のこんな微妙な陰影はでないでしょう。
まぁ、これはかなり特殊な方法なので、この方法はお話しませんが…。

実は出力ガンマ2.2の決め撃ちは間違いです。
適正な出力ガンマはライティングやシーンによって変わります。
と、言うかCGのライトはあまり物理的に正しい仕組みにはなっていないのです。
ですから一番近い出力ガンマ値を探さなくてはいけません。
それにはCGのライトを理解する必要があります。
適正な出力ガンマ値はライティング方法によってほとんどが決まります。

今回の勉強会では、ライティングに対する適正なガンマ出力を決める方法を解説してみたいと思います。

コメント

  1. こんにちは~。
    参考になりました。
    僕もなんで2.2なんだろうと疑問に思っていました。
    自分もかなり下げていく方だったので…
    勉強会、行ってみたいです><

    返信削除
  2. makotoさん、ご無沙汰しています。

    リニアワークフローの解説には、「レンダリングはリニアで計算されるので、ディスプレイガンマを考慮されていない」的なことがよく書かれていますが、実際のところ意味がよくわからないですよね。
    おそらくそのように書いている人もよくわかっていないかも知れませんね(笑。
    ガンマ2.2で出力したレンダリング画像は確実に眠い画像なので、必ずトーンカーブなどで補正が必要になります。
    要するにトーンカーブの補正は基本的にオーバーしたガンマを下げていることになるわけです。(あくまで基本的にですが。)
    この時、補正しきれない部分もいろいろあって画像に影響が出てしまいます。
    例えば、壁などの微妙なグラデーションなどは、ガンマ値が高いとなくなってしまいます。ないものはいくら補正をしても出てこないわけです。
    少しガンマを下げて若干でもグラデーションが残っていれば補正をした場合にきれいにグラデーションが出てきます。
    ですから、出力ガンマの0.1違いのレンダリング画像は見た目には違いがわからないぐらいですが、同じ補正をかけるとすごく印象が変わる場合があるわけです。
    あれ、前置きが長くなってしまいました。
    で、今回の勉強会ではライトの観点からガンマについて考察してみました。
    ガンマ値が低いとバーンアウトしてしまいますが、なぜそうなるかみたいな話。
    まぁ、簡単に言うとガンマ1.0の時、逆二乗の減衰がガンマ2.2では距離の逆数になってしまうってことなんですけどね。
    よく光は逆二乗の減衰が物理的に正しいと言われますが、実際問題あれ間違っています。
    逆二乗の法則が成立するのは光源が点の場合で、現実には面積を持たない点の光源なんてないわけですから。
    じゃあ、どうすればいいかみたいな話を勉強会ではやってます(笑。

    返信削除

コメントを投稿

このブログの人気の投稿

MAYAのベベルの疑問解決!

エッジベベルはコーナーを切り落としたり、丸めたりとよく使う機能です。 MAYAの場合、ベベルを起動するとビュー内にウインドが表示されすぐに操作できるので大変便利です。このウインドはベベルだけではなく、押し出しやブリッジなど他の機能でも表示されます。 しかしほとんどの場合、ベベルは実寸で適用するのでMAYAの割合でサイズを設定するのは不便だなと感じていました。 ちなみにMODOは実寸のみ、CINEMA4Dは実寸がデフォルトで割合に変更も可能。 MAYAはCINEMA4Dとは逆で割合がデフォルトで実寸での適用も可能。 実寸での適用する場合は適用時にベベルオプションウインドで入力するか、アトリビュートエディタまたはチャンネルボックスレイヤエディタで割合から絶対(実寸)に変更しますが、ビュー内に表示されるウインドでは割合での入力しかできないので不便だなと思っていました。 しかし、ウインドの右上のボックスをクリックすれば表示させる内容などをカスタマイズができるんですね。 これ、今までは知りませんでしたわぁ〜。 設定値のコピペやウインドのサイズも変更可能ですやん。 こりゃ便利だぁ。 ちなみに、MAYAのベベルはなんでデフォルトが割合やねんと思っていましたが、割合でベベルというのも使い出すと色々便利だと思うようになった今日この頃です。 MODOは、こっち方向のベベルもできるようにして欲しいなぁ〜。

MAYAのマニピュレータその2

一般的にマニピュレータはX赤、Yグリーン、Zブルーになっています。またMAYAはセンターが黄色になっています。センターが黄色の状態ですべての軸がフリーの状態です。 例えばX軸をマウスでドラッグして移動すれば、X軸が黄色になります。また、X軸をクリックしても黄色になります。黄色いX軸がフリーでY、Z軸はロックされた状態になります。X軸にしか動かないのでマニピュレータを動かさなくても画面内を中ボタンドラッグで移動できます。 またモデリングツールキットからでも軸のロックはできます。赤のXのボックスをクリックするとYとZのボックスはグレーになってX方向だけがフリーになります。またマニピュレータの絶対値も表示されているの色々と便利ですし、数値を入力することもできます。マニピュレータの話からはそれますが、ピボット編集の下にあるステップスナップは、MODOで言うところの「固定増分値」、CINEMA4Dだと「量子化」です。要するに1.00だと1cm刻みで移動します。例えば変更作業でいろんな箇所で3cm移動させる場合にMODOだと固定増分値を30mmにセットします。ただMODOはこの設定が初期設定にあって使い難いのでフォーム編集でツールバーに追加したりします。 MAYAの場合はいろんな箇所で3cm移動させる場合はもっといい方法があるのでそれはまた書きます。 ステップスナップはどのソフトにもある機能ですが、MAYAには相対値と絶対値があります。キャプチャは相対になっていますが、絶対にすれば絶対値の1cm刻みになり、現在XとYの絶対値には小数点以下2桁の数値になっていますがこれを整理することができます。 軸方向のロックはMAYAでは特にスナップの時によく活用しています。具体的な使用方法はスナップの時に書きます。

数値入力

地味な話ばかり続きますが、仕事する上で大切な部分でもありますので、もうしばらくお付き合いをよろしく! 例えばオブジェクトまたはエレメントを移動する場合に決まった数値分移動すること もあれば、移動してその移動距離を取得したいこともあります。 MODOやCINEMA4Dはマニピュレータを移動させると、マニピュレータの近くに移動した数値が表示されるので、どれだけ移動したかわかります。またMODOは移動のトランスフォームの項目でもわかります。MODOはほとんどのツールに数値が表示されるし、数値を制御できるので、大変便利だと思います。 MAYAはマニピュレータを移動すると移動した数値を表示する機能は基本的には多分ありません。しかしユニバーサルマニピュレータだけは移動量だけではなくオブジェクトのサイズも表示されます。また表示されている数値を変更するとその数値分移動、サイズ、回転します。マニピュレータのハンドルをクリックすると数値入力フィールドが出てきます。 すごく多機能で「大したことできそう」感が漂いますが、オブジェクトのバウンディングボックスに対しての操作だけなので大したことはできません。あまり使われていないからか、MAYA2015はシェルフにあったはずですが、MAYA2016ではメニューからしかアクセスできまん。 ではMAYAで移動した距離を取得する方法は?と一瞬考えましたがこれぐらいのことなら少し調べればmelで書けます。とにかくどこかに表示できればいいわけですしね。とは言ってもそんなことしている暇もないので、現状はスクリプトエディタに表示されるコマンドから移動距離を確認しています。 (はい、mel書かなくても表示できちゃいました。) さて、次に移動させる数値がわかっている場合はマニピュレータで移動するよりは即数値入力が一番手っ取り早いわけです。MODOはWキーで移動ツールを起動して数値を入力してspaceキーまたはQキーで移動ツールを解除という流れになりますが、以前からこれ結構面倒な手順だなと思っております。 MAYAは数値入力で移動するにはステータスラインにある入力ラインが手っ取り早いです。 ハイパーシェードのアイコンの横にありますが、多分デフォルトでは畳んでありますので、ひっそり感はマックスです!また、見た目もかなり「大したこと